『日本語で読みたい韓国の本-おすすめ50選』第6号(2017年発行)より

本書は小説家の朴景利が、亡くなる最後の瞬間までペンを話さず書いていた詩を、没後、娘のキム・ヨンジュ氏がまとめて序文を付した遺稿詩集。孤独な作家生活をいやした動物たち、母親との深いつながり、自分の出生についてなど39 篇の詩が収録されている。
序文によれば、朴景利はいつも数十枚、数百枚を反故にしながら一編の小説を書いたが、これらの詩はそれほど直さずに、水が流れるように書いていたという。常にもっとも厳格、もっとも自由人であることを望んでいた作家の姿が、最後に、歌としてここに遺ったと。
巻末には、女子高生時代から晩年までの著者の様々な写真を掲載した「写真で見る小説家朴景利」がある。