|アジアの美探検隊 著、廣岡孝弥 訳|クオン 刊|2024-04-25|224ページ

アカデミー賞4冠に輝いた映画『パラサイト 半地下の家族』から
アジアの美に迫る、七つの新たな視座


研究者グループ「アジアの美探検隊」が、映画『パラサイト 半地下の家族』を美術史・建築美学・人類学・映画学・文学といったさまざまなアプローチで分析した一冊。
ともすれば韓国の観客だけが理解できる「土着性」の強い作品に思える『パラサイト』だが、現実の再現プロセスを通じて世界中の人々が共鳴して感動し、カタルシスを感じられる作品として誕生した。
この映画に秘められた再現の力を分析することにより、韓国の、ひいてはアジアの美を理解するための、新たな視座を見出すことができる。


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●目次

プロローグ/カン・テウン アジアの美と映画『パラサイト』 1. ヤン・セウク チャパグリの映画美学 2. チェ・キョンウォン 無秩序と秩序の対比によって表現された美しさと醜さの美学 3. キム・ヨンフン 映画『パラサイト』にみる感覚のディテールと韓国の特殊性 4. チャン・ジンソン 映画『パラサイト』における「象徴的なもの」の意味と役割 5. チェ・ギスク 映画『パラサイト』と嫌悪感情    ―テクストはいかにして生活にあふれ出すか 6. カン・テウン 大邸宅の下女たちとパラサイト家族 7. キム・ヒョンミ 映画『パラサイト』の女性はいかにして「線」を越えるか ―階級主義の不安とジェンダー 訳者あとがき


●プロフィール
著者:アジアの美探検隊

・カン・テウン
 光云大学校北東アジア文化産業学部教授。日本映像文化論、表象文化論専攻
・ヤン・セウク
 仁済大学校国際語文学部、融合文化芸術学協同過程教授。言語学、中国学、文化芸術学専攻
・チェ・キョンウォン
 成均館大学校デザイン学部兼任教授。産業デザイン専攻
・キム・ヨンフン
 梨花女子大学校韓国学科教授。社会人類学専攻
・チャン・ジンソン
 ソウル大学校考古美術史学科教授。韓国および中国開化史専攻
・チェ・ギスク
 延世大学校国学研究院教授。韓国古典文学・韓国学専攻
・キム・ヒョンミ
 延世大学校文化人類学科教授。主な研究分野はジェンダーの政治経済学、労働、移住者と難民、生態問題

翻訳:廣岡孝弥
1981 年、富山県生まれ。リトルプレスの制作やサポート業に従事。
オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。2021 年、
第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて最優秀賞受賞。訳書にファン・モガ『モーメント・アーケード』(クオン、2022 年)、同『生まれつきの時間』(inch media、2023 年)。