姜アンリ 著/ポエムピース 2023年4月17日刊行

『詩を読みたくなる日』や『となりの谷川俊太郎』などの話題作で注目されるポエムピースからでた姜アンリさんの詩集。
著者自身による英訳とイラストでより魅力的な詩集となっている。
 


‘東京のアパートから見る景色、夕焼けの中の電柱、道路、道端の草、スーツの縦線、プラットホームの天井の角に、
 ふと、なんらかの大きな繋がりを感じることがある。
 世界の片隅にいながらも、誰もが宇宙の塵を感じることができるはず’と著者は言っている。


 やさしいってね、
 この夏
 萎むひまわりの
 眼差しのことだった
 
 やさしいって
 たぶん紫陽花の
 いちばん薄い青の部分
 でも白ではないところ
 
 やさしいって
 クッキーのくずを
 口につけたまま
 いとをかし
 あの崩壊のこと
 
 やさしいは
 私の体温を
 奪ってもいいよ

 ー本文の詩の一部