|韓勝源 著,井手俊作 訳|書肆侃侃房 刊|2020年3月4日|216ページ|



ハン・ガンの父で韓国を代表する作家
ハン・スンウォンの自伝的作品。

日本による植民統治時代に生まれ、露草のように美しく生きた気丈な母チョモン。半島南部のとある海辺風景をバックに、激動の時代の約一世紀を強く生き抜いた母の生涯を叙情あふれる筆致で描く傑作長編。

私の母は、日本による植民統治期と解放前後のめまぐるしい時空で辛酸をなめつつ暮らしながら私を産み育てたのだが、今日の私があるのも、意志の弱い私が病んだり絶望して彷徨(さまよ)ったりするたびに母が私を慰め、希望を持つように励ましてくれたおかげである。 (作者あとがきより)