日中韓、日常を彩る美しき緑茶文化──。
中国が生活の中の茶を作り上げたのなら、韓国には士人の文化としての伝統茶文化があった。
そして日本は茶道文化という特有の伝統を作り上げた。
三国は緑茶をどのように受け入れ、新たな文化として発展させてきたのだろう?
暮らしのみならず、建築や絵画などの芸術作品を通して、その流れに迫る。


■CONTENTS
Prologue 茶の本来の味を堪能する
1.茶文化にこめられた美
 茶の美|茶具の美|絵画から見える茶|茶遊びと茶の空間

2.中国の茶文化のながれ
 南方の美しい木、茶|中国南方から中国北方まで| 陸羽と『茶経』|
 日常の茶|葉茶の時代へ

3.韓国の茶文化のながれ
 伽耶から新羅まで:茶文化の形成と発展|
 腦原茶と孺茶の時代:茶文化の反映と高麗|
 朝鮮と餅茶:茶文化の衰退と朝鮮

4.日本の茶文化のながれ
 茶の流入と闘茶|清規の伝来と日本茶|書院の茶から草庵茶へ|
  開港以降の日本の茶

Epilogue 共感する茶文化のために
注釈
参考文献

■PROFILE
著者:ソ・ウンミ(徐銀美)
高麗大学史学科卒業。高麗大学大学院と西江大学大学院で、修士および博士号取得。
慶星大学にて学術研究教授、現在は釜山大学と釜慶大学で講師を務める。
著書に『北宋における茶の専売についての研究』、『朝鮮時代における宮中茶礼の資料解説と訳注』(共著)、『東アジアの人物とライバル』(共著)、『映画、茶を語る』(共著)が、訳書に『緑茶文化 紅茶文化』がある。


訳者:瀧澤織衣
事業者団体に勤務するかたわら、サイバー韓国外国語大学日本語学部を卒業。韓国語の通訳・翻訳を手がけている。