|ぺク・オニュ著,吉原育子 訳|祥伝社 刊|2022年3月20日|250ページ|



『アーモンド』を生んだ「チャンビ青少年文学賞」受賞作品!

十八歳のユ・ウォンは有名な女子高生だった。十二年前のマンション火災事故の奇跡の生存者として。ユ・ウォンの姉は、幼い妹を布団で巻いて十一階から投げ落とした後、帰らぬ人となった。地上で彼女を受け止めたおじさんは、足に重い障害を負った。ユ・ウォンは奇跡の象徴として、おじさんは英雄として、一躍、時の人となった。
あれから十二年。いまだに世間は「あの事件の子」という眼差しで彼女を見る。姉は神格化され、「英雄」のおじさんは家をたびたび訪ねてきてはお金を無心していく。
そんななか、ユ・ウォンは同じ高校に通うスヒョンと知り合う。自分とは正反対のスヒョンに影響され、初めて他人に心を開いていくが……。
過酷な運命を背負った少女の軌跡を描く、感動と希望の成長小説!