|チャン・ガンミョン 著,小西直子 訳|新泉社 刊|2021年8月17日|496ページ|



「北朝鮮の現政権が勝手に崩壊し、統一過渡政府が樹立する──。」
韓国で理想的に語られる筋書きが現実化した後の朝鮮半島を描いた近未来ディストピア小説。
北の社会の実情をリアルに描き、読者を一気に引き込む話題作。映画化も決定!


《我らが願いは…………統一》
北朝鮮の現政権が勝手に崩壊するという、韓国にとって理想的なシナリオが現実のものとなった朝鮮半島。しかしそこには、いまだ統一国家が成立してはいなかった。
一般人の南北間の往来は禁じられ、朝鮮半島北部は無能な「統一過渡政府」のもと、貧困と暴力が蔓延し、麻薬組織が暗躍する無法地帯となり果てていた。
つい何年か前まで、最も理想的と謳われていたシナリオ。それがいざ現実のものとなるや、餓鬼と修羅の跋扈する畜生道への扉が開かれたのだ。