|ク・ジョンイン 著,呉永雅 訳|柏書房 刊|2021年9月25日|204ページ|



中学生のウンソには、
9年間、言えなかったことがある――。

ひとりで
抱えきれなくなったとき、
あなたならどうしますか?

これは、
“秘密”と共に生きる、
すべての人に贈る物語。

■本書を心から推薦します!
被害と向き合い、
それが何だったのかを考えることによって、
やっと女性は自分がやる必要のないことから解放される。
そこに至るまでの過程で、
主人公が心やさしい女性たちに出会えて本当によかった。
相変わらず社会の変化は遅いけど、私たちは知っている。
あなたの涙は私の涙であることを、
私たちは「悪くなかった」ことを。
――キム・ボラ(『はちどり』映画監督)

この本をすべての学校や図書館に置いてもらいたい。
さすが、必要とされる仕事を見事にしてくださった。
――キム・ハナ(『女ふたり、暮らしています。』著者)

■あらすじ
友達と遊んだあとの帰り道、
中学生のウンソは地下鉄で痴漢にあい、
小さい頃に経験した“ある事件”を思い出す。

誰にも話したことのない“秘密”に、
ウンソの心はどんどん重くなっていく。
加害者への復讐を夢見、自らを責め、
自分を守れなかった母をも恨むウンソは、
悩んだ末、いちばんの親友ジユンに
“秘密”を打ち明けることを決意する。

しかし、それで全てが解決するわけではない。
親友はウンソの体にのこっているかもしれない後遺症を心配し、
一緒に病院に行くことを提案するのだが――。

「苦しみや悲しみは、分かち合ってもいい」
「悪いのはあなたじゃない」

子どもたちが生きていく上で大切なことを伝え、
確かな「希望」を提示する、静かであたたかな物語。