韓国語で「哀悼相談」と訳されることが多い「グリーフカウンセリング」の専門家が、自死遺族のグループ活動をアレンジし、参加者たちの「心の癒やし」の過程を記録したものである。
 自殺で肉親を亡くした20~30代の女性5人が、自助グループ「マインドピクニック」に参加し、六夜に渡って思いを語り合った。初めて経験した「あの日」の衝撃、以前の日常に戻れない苦しみ、変わってしまった家族や周りの人々との関係、今後生きていく意欲をどう取り戻したらいいのか――。
彼女たちは対話に対話を重ね、少しずつ故人と正面から向き合い、周囲との関係を再構築し、自分なりの新たな生き方を見出していく。
 臨床心理学の専門家である著者は、この「哀悼の道のり」を参加者とともに歩み、彼女たちの対話を記録した。思いがけず身近な人を失い苦悩に打ちひしがれている人々が、心から「哀悼」の時を持てるように…。そうした人を支え見守ろうとする人々が、心に届く労いと共感を伝えられるように…。
そんな願いを込め、専門的視点を交えつつ、対話を通じた「哀悼」の大切さを訴えている。