|윤여림(ユン・ヨリム)文、이명하(イ・ミョンハ)絵|천개의바람刊|2020.11|60ページ|

今の時代の大きなテーマでもある過剰消費、ゴミ、環境などの話題をダンボールという象徴的なキーワードでわかりやすく伝える絵本。
人の際限のない欲求によって作られ、使われ、捨てられる世界のあらゆるものを象徴する「ダンボール」。ダンボールを擬人化して感情をのせることで、よりストーリー性を膨らませ、説得力のある絵本に仕上がった。

今日も宅配のトラックにはダンボールがいっぱいに詰め込まれ、配達が始まる。「ピンポーン、宅配便です」。とある家の玄関先に、ダンボールが置かれた。そっとドアを開け、周囲を見回した男が、さっとダンボールを持って家に入っていく。
「ついに来た!」期待に胸ふくらませた男は、ダンボールを開けて注文した商品を確認。ヘルメット型の自動歯磨きマシーン。男はもう必要のないダンボールを外へポーンと投げてしまう。ボン、シューン、ゴトン。マンションの各階、各部屋から捨てられたダンボールがどんどんどんどん積まれていき……
ついにマンションよりも高く積まれたダンボールたちは「からっぽだー!」と叫ぶと、突然世界中のものを何でもかんでも食べ始めてしまった!

日本では『ダンボール』(わたなべなおこ訳、TOY Publishing)として2021年12月に邦訳出版されている。