「私はこの小説だけは鉛筆で書くことにした。
どうしてそうしたのかはわからない。
ただそうしなければならないように思えた」


韓国金泉市のパン屋「ニューヨーク製菓店」の末っ子として生まれ育った、キム・ヨンスの自伝小説。
お店を切り盛りする母、作家を目指す息子を見守る父、グローバル化の波が押し寄せる中で何度となく転機を迎えるニューヨーク製菓店……
この世から姿を消しても心の中を照らし続ける“灯り”に思いを馳せる、静かで温かな余韻の残る短編を、韓国語原文と邦訳を一冊にしてお届けします。

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作家ご本人による韓国語朗読音声も!
キム・ヨンス作家による韓国語の朗読音声をYouTubeで配信しています。
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こちらからその一部をご覧いただけます。


著者:キム・ヨンス(金衍洙)
1970年、慶尚北道生まれ。成均館大学英文科卒。
1993年、「作家世界」で詩人としてデビュー。
翌年に長編小説「仮面を指差して歩く」を発表し高く評価されて以来、本格的に創作活動を始める。
「散歩する者たちの五つの楽しみ」で李箱文学賞を受賞したほか、東西文学賞、東仁文学賞、大山文学賞、黄順元文学賞など数々の文学賞を受賞。エッセイスト、翻訳者としても活動している。
邦訳に『世界の果て、彼女』『ワンダーボーイ』(以上クオン)、『皆に幸せな新年・ケイケイの名を呼んでみた』(トランスビュー)、『夜は歌う』、『ぼくは幽霊作家です』(以上新泉社)、『四月のミ、七月のソ』(駿河台出版社)、『目の眩んだ者たちの国家』(共著、新泉社)がある。

訳者:崔 真碩
1973年ソウル生まれ、東京育ち。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士。
現在、広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。
テント芝居「野戦之月」の役者。
著書に『朝鮮人はあなたに呼びかけている』(彩流社)、『サラム ひと』(夜光社)など、訳書に『李箱作品集成』(作品社)、『ウォンミドンの人々』(新幹社)などがある。

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日本語と韓国語の2言語で読むことができるシリーズです。
韓国語の朗読をYouTubeで聴くことも可能です。