김정선(キム・ジョンソン)作と絵 | 四季節 | 2018.06刊行 | 52頁

ある村に、同じ名前の子どもが二人、住んでいました。一人は造り酒屋のパク・スンドゥク、もう一人は自転車屋のイ・スンドゥクです。いつも一緒に遊んでいた二人はある日の早朝、わけもわからないまま離ればなれになります。朝鮮戦争が起きて人々の避難が始まったのです。

二人の状況をかくれんぼにたとえて物語は進みます。故郷に残ったパク・スンドゥクが鬼になり、イ・スンドゥクは避難先へと逃げ、「しっかり隠れろ。髪の毛が見えるぞ」という歌に合わせてすれ違う二人の運命が描かれます。

避難先へ向かう途中、イ・スンドゥクは夜露に濡れながら豆畑で寝たり、川を渡ったりします。いつ、どこから飛んでくるかわからない爆弾を避けなければならない状況ですが、イ・スンドゥクの表情はそれほど暗くありません。豆畑に横たわると、夜空がきれいに見えるし、夏の川を渡ると涼しい風が吹きわたるからです。

イ・スンドゥクは子ども本来の生命力を発揮して危険な状況を切り抜け、ある日、故郷に帰ります。さて、二人のスンドゥクは再会できるでしょうか。