|김현경(キム・ヒョンギョン)著|명진서가 刊|2020.12|228ページ|

BTSの楽曲の歌詞の中には、成長する彼らの「本当の人生」がある。もう一歩踏み込むと、歌詞の中には「心理学」も存在する。心理学者ユングの言葉を借りれば、私たちの人生は「自我 ego」が「自身 self」を探すための長い旅であり、巡礼とも言える。BTSの歌詞にはその過程が込められている。10代という時期は自分はなぜこんな気持ちになるのか、どうしてこんな行動をとってしまうのかと自分自身も理解に苦しむことがある。そんな時に心理学という「知識の基礎工事」をし、自分の心の中をのぞいてみる機会が与えられたなら、良い人生を進んでいくための自由な土台ができるはず。

この本は、2013年のデビュー曲『No More Dream』から、2020年の『Dynamite』まで、7年間のBTSの楽曲をとおし、発達心理学、同期心理学、フロイト心理学、ユング心理学、アドラー心理学、性格心理学など、あらゆる分野の心理学理論に接するための扉を開けてくれる。主な読者である10代の若者たちが、成長とともにより深く学べるようにするための確かな知識の基礎工事を目標とし、本を読む習慣がない人でも無理なくページをめくれるようにわかりやすく書かれている。(出版社 本紹介より)

著者はソウル大歴史教育学部を卒業。良い作品を書くための勉強として心理学を幅広く学んでいたところ、非主流心理学とされるエニアグラムに心酔。「実用心理学小説」をキャッチフレーズにした『どの星から来たの?』など、小説やエッセイを出版し、マニア読者層を増やしている。歌番組を必ずみていた両親の影響で幼い頃から大衆音楽を聴いて分析することに関心があり、2013年の防弾少年団デビュー時には第2の「ソテジワアイドゥル」(90年代に活動したヒップホップグループ)になるのではと興味を持ち、長く見守り続けている。

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『피 땀 눈물(Blood Sweat & Tears)』をきっかけにヘルマン・ヘッセの小説『デミアン』を読もうとしたけれど途中で断念したあなた、『Map of the Soul』でユングを知り学んでみたけれど、難しくて辞めてしまったあなた。そんなあなたのために、BTSの世界観をわかりやすく解説してくれるのがこの一冊。彼らの歌を通して自分自身のこともより深く知り、自分を好きになれる本当の「Love Myself」のための入門書。(イ・ジウン/アーミー、淑明女子中学校教諭)