|권남희(クォン・ナミ)著|마음산책 刊|2021.5|216ページ|

平凡社から2023年1月に刊行された『ひとりだから楽しい仕事  日本と韓国、ふたつの言語を生きる翻訳家の生活』の韓国語原書。

300冊超の日本の文学作品を訳し、韓国の日本小説ファンならその名を知らない人はいないであろうベテラン翻訳家、クォン・ナミさん。彼女自身の文章も訳書に負けず多くの支持を集め、1年ぶりに新たなエッセイ集が出版された。
「ソウル地下鉄が4号線までしかなく、翻訳料が今の10分の1だった」時代に始めたという翻訳の仕事。『ツバキ文具店』などの著書で知られる小説家・小川糸さんとの出会いや翻訳家を目指す人々への言葉など、韓国語を学ぶ人にとっても強く惹かれる話が多く収録されている。しっかりと重みもありながら愉快な、軽快に読み進められる散文集。

本書は、シンガーソングライターで作家の요조(ヨジョ)の『실패를 사랑하는 직업』(失敗を愛する職業)、小説家천운영(チョン・ウニョン)の『쓰고 달콤한 직업』(苦くて甘い職業)に続く、出版社마음산책(マウムサンチェク)の職業エッセイシリーズの一冊。