|장영은(チャン・ヨンウン)著|민음사|2021.3|252ページ|

成均館大比較文化連携専攻招聘教授の著者が、世界の女性政治家たちが成功と挫折を重ね、それぞれのストーリーを築き上げてきた過程を紹介する。

政治とは何か?聞き飽きた問いかもしれないが、いざ答えようとすると難しい。2021年3月8日「女性の日」に合わせて発売された本書は、多様な背景と経歴をもつ世界の女性政治家21人の人生を通して、「政治とは何か」を改めて問い直す。

21人は、1970年代にフランスで人工中絶の合法化に尽力した当時のシモーヌ・ヴェイユ保健大臣、20世紀初頭のイギリスで女性参政権のために闘ったエメリン・パンクハースト、女性の教育権を主張したパキスタンの10代活動家マララ・ユサフザイら。また、ドイツのメルケル首相、イギリスのサッチャー元首相、クリントン政権時代に米国史上初の女性国務長官を務めたマデレーン・オルブライトなどの政治家も紹介する。

登場する女性たちは、既存の政治に対して要求することに止まらず、みずからが主体となって政治に関わる者たちだ。女性が行う政治と既存の政治の違いとは何か?女性の人生、言葉、文章にひたむきに関心を寄せ続けてきた著者は、彼女たちの成果と挫折を分析し、男性的権力だと見なされてきた政治を女性の観点から再構成する。女性の政治に耳を傾けるとき、私たちは新たな政治、新たな世界への手がかりを掴める。