韓国を代表する女性小説家パク・ワンソ(朴婉緒)が1970年に発表したデビュー作『裸木』を、韓国とフランスで絵画を学んだキム・グムスクがグラフィック・ノベルとして蘇らせた。朝鮮戦争勃発後、あちこちに戦闘の傷跡を残す1951年ソウルを舞台に、つらい過去を乗り越えてたくましく生きようとする若い世代の苦悩を繊細に描く。米軍の売店、PXの肖像画売り場で働く20歳のギョンアはパク・ワンソ自身、また、ギョンアが心惹かれる妻子ある画家オク・ヒドは韓国を代表する画家パク・スグン(朴寿根)がモデルとされており、綿密な取材をベースにした再現力に定評のあるキム・グムスクの画によって当時の明洞や第8軍(在韓米軍のこと)PX内部、桂洞(ケドン)通りなどを背景に小説のキャラクターたちが生き生きと蘇った。