|정정아(チョン・ジョンア)著|평화를품은책(꿈교출판사)|2020.1|

釜山の海辺の町・多大浦で1960年代まで行われていたカタクチイワシの地引き網漁の唄「フリソリ」。今では見られなくなった漁の生命力や、町の人たちが一つになった力がその唄には込められていた。
主人公スンジのおじさんは、戦争で足を負傷し、心も深く傷ついた状態で戦地から帰ってきた。家族や町の人たちが声をかけてもふさぎ込んだままのおじさんだったが、イワシ漁が始まると海辺に向かい、いつもたたいていた銅鑼をもって唄にまざり……。
幻想的な絵で、フリソリの調べにすーっと引きこまれる。主人公の語り口で書かれた文章は、韓国語学習者にも比較的読みやすい。