チョン・ヘシン著/ヘネム/2018年10月10日刊行/316頁

他人の視線を気にして期待に応えようと悪あがきし、パワハラが横行する組織で作り笑いをしながら耐え、成功と効率を追い求める社会にあえぎ、疲れる関係の中で自分の心は後回しになる……日ごとに窮屈さを増していく現実の中で、韓国では3人に一人がうつの症状を抱えており、自殺率も高い。

そんな状況の中で苦しんでいる人々と向き合ってきた精神科医チョン・ヘシンは、「心理的心肺蘇生術」が必要だと診断する。この15年間、診察室を出て一般の人々はもちろん、トラウマを抱える人、企業のCEOまで多様な人々の心に寄り添い、よく観察してきた結果だ。

だれでも心理的心肺蘇生術の行動指針を学べるようにするのが本書の狙いで、その実践方法が詳細に示されている。

邦訳は『あなたは正しい 自分を助け大切な人の心を癒す「共感」の力』(飛鳥新社、2021)。