イム・ヒョン著/現代文学/2017年10月13日刊行/308頁

2014年に「現代文学」でデビューし、2017年に第8回若い作家賞大賞を受賞したイム・ヒョンの短編集。

未来が見えると信じる主人公の9歳の少年と、いつも彼を不安げに見守る母親。起きるであろうことと起きないことの間で繰り広げられる寸劇を描いた「可能な世界」、新婚旅行に行く途中、森の中で若い男と老人に出会い、奇妙な事故に巻き込まれて右腕を失い、さらには不眠症やかゆみ、妄想に悩まされる主人公ムヨンとそんな妻の姿に恐れをなすウヌの物語「そこにいる」、よく似た別人にしょっちゅう間違われる夫のことを描いた「外」など11篇が収録されている。