作家で翻訳家のキム・ジヒョンの初エッセイ集『生姜パンとジンジャーブレッド』。トナカイのシチューに生姜パン、お菓子の家、ライムオレンジーータイトルに掲げられた、古典名作34篇に登場する食べ物の名前を見ただけでつばを飲み込みそうになる。

当時としては珍しかったけれど今は近所のスーパーで簡単に手に入る材料もある一方で、今でも想像の中でだけしか味わえない料理もある。

韓国語に置き換えても自然な名前の料理もあれば、どう訳しても不自然な料理名もある。

翻訳家たちは今日も、それらについて頭を悩ませていることだろう。 著者の思いがたっぷり詰まったことばで伝える翻訳の難しさと魅力、そして、懐かしい思い出の文学グルメが堪能できる。