『ピフティーピープル』『アンダー、サンダー、テンダー』のチョン・セラン作家の初SF小説。軽快だが幻想的で愛おしい小説。
会社員の傍らジャンル小説家としても活動をはじめたジェファ。彼女の書いた九つの物語の中で9回も死を迎える元彼のヨンギ。初小説集出版を控えているジャファが一作品書き上げるたびに、その死の瞬間が文字としてヨンギの皮膚にタトゥーのように刻まれる。そんなある日、ジェファは自分の郵便物が誰かによって勝手に開けられたことに気付く。先輩のソンはセキュリティ装置をヨンギさんに頼むよう勧めるが、躊躇するジェファ......。