第11回李孝石文学賞受賞作の「押すほど再び近くなる」をはじめとする8編の小説が載っている。
中途半端な人生の中で四苦八苦する任用試験準備者、角膜移植を受ける予定の伝道師、弟子を究明しようとする教授、改名を申請した母親とその息子、現代版の奴隷、ニーターが登場する。
表題作の「キム博士は誰なのか?」は、教員任用試験に失敗し不必要な人間になったと落ち込む若者がキム博士という人物に相談を受けるお話。キム博士は一体誰なのか空欄を埋めるよう設けた最後のページのユニークさが目立つ。