生きているのか、死んでいるのか……そんな「諦め」「絶望」といった荒涼とした人生を、一歩ずつ前に進もうとする人物たちの物語。
書くのをやめようと苦悩した作者が、三年をかけて書いた全8篇を収録。
表題作の「誰が猫を殺したのか」は、不動産仲介会社に勤めるヒスクに、ある日「猫が殺されたので家を売りたい」という女性が訪れる。その女性と関わるようになり、身の回りの、そして自分自身の中で起きつつあるいろんな変化に気付き始めるヒスク…。
小説を書けない時期に滞在した、北米を舞台にした物語も収録。