この本を書いているあいだ、私は何かに
守られているような気がしていた。


ハン・ガンが「書きたいのに、書けなかった」と回想する時期に生まれた本書には、音楽との出会い、さまざまな思い出にまつわる歌、著者自身がつくった歌について綴られている。著者の繊細な感性に触れるエッセイ集の初邦訳。
巻末にはオリジナルアルバムの音源情報も収録!

■エッセイの中で触れられている音楽のプレイリストはこちらから


【目次】
日本の読者の皆さんへ
1.くちずさむ
2.耳をすます
3.そっと 静かに
4.追伸
訳者あとがき
ハン・ガン オリジナルアルバム

【著者:ハン・ガン】
1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒。
1993年に季刊『文学と社会』に詩を発表、
翌年のソウル新聞新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選して文壇デビュー。
2005年に『菜食主義者』で韓国で最も権威ある文学賞とされる李箱文学賞、
2016年にイギリスのマン・ブッカー賞国際賞を受賞。
小説や詩のみならず、絵本や童話の創作や翻訳も多数手がけている。
韓国小説文学賞、今日の若い芸術家賞、東里文学賞など受賞多数。

【訳者プロフィール:古川綾子】
神田外語大学韓国語学科卒業。延世大学校教育大学院韓国語教育科修了。
第10回韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。神田外語大学講師。
訳書にウ・ソックン『降りられない船―セウォル号沈没事故からみた韓国』(クオン)、パク・ヒョンスク『アリストテレスのいる薬屋』(彩流社)、
ユン・テホ『未生 ミセン』(講談社)、
キム・エラン『走れ、オヤジ殿』(晶文社)などがある。