RECOMMENDED PRODUCT 店長のおすすめ
  • ◆店主きむより◆
    愛に満ちた60余編の詩が収録された詩集「海は元気です」。恋に落ちたのね、2人の間係がなんだかギクシャクしてるな、アイゴ、2人が別れる決心をしている、ああ、どうしよう、別れてしまう、ひとりで時間を耐えているんだーーそんな切ない気持ちがページのあちこちににじんでいます。愛することはいろいろ大変ですが、イ・ビョン二ョルさんのことばで自分の気持ちがちょっとずつ整えられる気がします。これこそ詩の力でしょうか。最後にある詩人のキム・ソヨンさんが書いた解説も必読。愛の「あざが体の外に忽然と出てしまう」ように慰められたと書いています。愛の傷をあざと表現するソヨンさんもソヨンさんですが、そのあざを丁寧に丁寧になでてくれるイ・ビョン二ョルさんがいて安心です。
  • ◆ノ店長より◆
    『花を見るように君を見る』のナ・テジュ詩人と『真夜中のちいさなようせい』のシン・ソンミ作家によるコラボ作品。 懐かしさ、愛、日常の中の発見、宝石をテーマとした60編の詩と付録で構成されています。小さくてか細いものに対する温かい視線と、詩と絵の言語に想像力が加わったストーリー。2人の芸術家が繰り広げる温かい感性、ジーンとして切ない気持ち、時にはクスクスと笑いも出る独特のユーモアで童話の世界に陥ったような気分を味わうことができます。いろんなシーンの韓服姿はパラパラめくるだけで気分転換になリます。そばに置いておいて疲れた時に読みたい詩集。シン作家の原画についてのエピソードも面白いので、どうぞお見逃しなく。
  • ◆山口店長より◆
    4人の作家によるSF短編集です。SFですが宇宙や異次元の空想物語というよりは、わたしたちの生きている社会をテーマとしています。 足が不自由な子、父親がいない子、精神だけが存在する人、目が見えない人(実は宇宙人)、上下あべこべの人魚、記憶障害のある人。4編の作品の中には様々な人物が登場します。まわりのみんなと違うことで好奇の目で見られ「かわいそう」と思われがちな彼らは、はたしてみんなより不幸なのでしょうか? ずっと先の未来、今とはまったく基準がひっくり返って、障がい/非障がいの境界が崩れた世界を描くことで、何を基準に「障がい」というのか、そもそも「正常」な状態とは何なのかを問いかける作品です。
  • ◆かな店長より◆
    「愛犬のムンゲが文章を書いたとしたら」という視点で描かれているイラストエッセイです。これまでは自分の視点で感じたことを書いてきた著者が、文章を書ける愛犬の目線で日常を描きます。著者が一番気を付けたのは、ムンゲを擬人化しすぎないこと。いろいろなことを考えるけれどもあえて言葉にしない、犬のステキな部分をうまく表現できるように心がけたそうです。 1ページにムンゲのイラストと、ムンゲの想いや感じたことが一言でつづられています。シンプルなイラストなのに、モフモフとした犬の毛並みが伝わってくるのが不思議です。私も猫と暮らしているので、「うちの子も文章を書いてくれたらなぁ」と思いながら、温かな気持ちでページをめくりました。犬や猫が好きな方、一緒に暮らしている方におすすめします。
  • ◆しみず店長より◆
    2022年マン・ブッカー国際賞のロングリストにノミネートされた『呪いのウサギ』と『大都会の愛し方』を英訳したアントン・ホのエッセイ集。韓国で生まれ育った著者が通訳や産業翻訳を経て、数少ない韓英の文芸翻訳家としての地位を確立するまでの道のりが綴られています。無名だったために見向きもされなかった頃、韓国の出版社に猛アピールして版権を獲得し、米国の出版社を必死に説得して英訳本刊行を実現してきた著者の「韓国文学愛」が「何があってもあきらめない」という熱いメッセージと共に伝わってきます。原文に耳を澄ますように「出発語」を「到着語」に移していくという描写もとても美しく、心に響く一節です。
  • ◆ジヨン店長より◆
    性理学を根幹とする士大夫中心の階級社会、朝鮮。 朝鮮の身分制が生み出した蔑視と冷遇の中で厳しい生活をしていたはずの民衆にとって慰めは何だったのでしょうか? この答えは、朝鮮後期の学者たちの文集に登場する見知らぬ人たちの話から始まります。 両班をからかって一躍スターになった抱え主、宴の中心になるセレブや話を作って路上で聞かせてくれるイヤギクン(話し手)など、いわゆる「非主流」文化を享有する、朝鮮時代ならではのユニークな芸能人たちが続々登場し、今でいうと、「エンターテイナー(芸能人)」と呼ばれる人たちの興味津々たる話が広がります。
  • ◆スタッフさわだより◆
    「すべては秋から始まった」。その一言から始まる、画集のような、詩集のような絵本です。ページに広がるのは、著者がソウルの延南洞(ヨンナムドン)で暮らし、弘済川(ホンジェチョン)周辺を散歩しながら出会った野草。枯れゆく枝葉、そしてそれらを包む余白まで確かな存在感を持って描かれています。秋や冬は、花が落ち色褪せてゆく「終わり」の時なのか、種が人知れず土の中で次の一年を待つ「始まり」の季節なのか。そんなふうに思いをめぐらせながら眺めていると、自ずと野草の一生に、私たちの移りゆく日々や人生が重なり浮かび上がってきます。
  • 1980
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    • ¥1,980
    • ¥1,980
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    ◆宣伝広報担当ささきより◆
    日本における韓国文学の隆盛をもたらした要因の一つには素晴らしい翻訳者の方々が多く存在したからでしょう。その第一人者と言える翻訳家・斎藤真理子さんによる本作は、圧倒的な読書量がもたらされた深くて広い読書ガイドであり、書籍評論でもある読書エッセイです。25篇の中でも特に私の心に残ったのは「長璋吉が描いた朝鮮語の風景」に登場した『私の朝鮮語小辞典-ソウル遊学記』。「生きた韓国人と韓国語の世界を書き上げてたいへん好評を得た」との紹介に心惹かれ、「日本の古本屋」サイトから早速購入してみました。そんな行動を促してくれる最高の読書エッセイ本です。
  • ◆きむ店主より◆
    韓国文学がどのような経緯で翻訳され、翻訳者がどのような方法で翻訳を行うのかが綴られた翻訳当事者の話。主に韓国文学を英語に訳す人たちが書いたもので、韓国語と英語が併記されています。4部構成で、1部は作品を翻訳する際の作業過程や翻訳者の深い悩み、2部は誤訳論争と創造的な翻訳について、3部は韓国文学の翻訳の歴史と課題、4部は韓流ブームの中のK文学のポジションと実体についてそれぞれの率直な思いが記されています。特に、『82年生まれ、キム・ジヨン』を翻訳したジェイミー・チャンの文章、金恵順(キム・ヘスン)の詩を共同翻訳したローレン・アルビンとペ・スヒョンの文章を、翻訳家を夢見る人に特におすすめしたいです。
  • ◆ノ店長より◆
    姿を消した世宗大王を探す、絵探し絵本。 科挙試験日の朝、試験を主管しなければならない世宗大王の姿がどこにもありません。臣下たちは右往左往しながら宮殿の外に出て世宗大王を探します。ページをめくるたびに、こっそり隠れている紫色のトポを着た若くて素敵な世宗大王を見つけるのも楽しいですが、王様が住んでいた宮殿の様子や勤政殿、水刺間、市廛、ピマッキル、四大門と葬儀門など、朝鮮時代に実際にあった場所を確認するのも面白いです。まるでタイムスリップしたような感じです。 民衆を愛した世宗大王、彼が消えた理由は一体何なんでしょうか?臣下たちは世宗大王を見つけることができるでしょうか? 年齢を問わず誰もが楽しめる絵本です。
  • ◆山口店長より◆
    斧を手にしたテディベアの表紙が印象的なチョン・イェウン著『テディベアは死なない』。 2025年8月、再開発により発展を遂げたヤム市が舞台。高層マンションの住民を無差別に狙った毒入り餅事件が起こり、9人が死亡。 主人公ファヨンは、マンションで家政婦として働いていた母親をその事件で亡くしました。犯人の自殺により事件は解決したように見えましたが…。ふだん餅を絶対に食べない母がなぜ死んだのか?真犯人が別にいるはずだ。ファヨンは母の死の真相の究明と復讐を誓います。復讐するために必要なお金(目標額2000万ウォン)を集めながら生活していたファヨンに、あるときピンチが訪れます。そこにテディベアが現れて手助けしてくれるのですが、テディベアの正体はいったい? 餅事件の真相を追ううちに想像以上にいろんな事情が絡んできてすごい展開に。ホラーな要素もあり、ドキドキ、ゾクゾクする物語です。
  • ◆かな店長より◆
    パラパラめくっているだけで、いつもの日常が色鮮やかに楽しげに思えてくるような本です。 イラストレーターのキム・イランさんが、1日1ページの水彩画のイラストと描いたものに関するストーリーや想いをつづっています。4月1日からはじまり3月31日までの365日分が収録されています。例えば、自宅で育てている観葉植物、おいしかったデザート、季節のフルーツ、近所にいる猫たち、新しくできたカフェ、新調した洋服、購入した趣味の品など。一つひとつは特別なものではないですが、キム・イランさんのフィルターを通すだけで、身の回りにあるモノや風景がなんだかとても魅力的に見えてきます。イラストが中心で韓国語の文量は多くないので、韓国語初心者の方にも読みやすい本です。
  • ◆しみず店長より◆
    1991年に創設された韓国初の女性刑事機動隊。その時に女性として初めて強行犯係の刑事となったパク・ミオクさんの30年間にわたる刑事生活が綴られたエッセイ集は、人間味あふれる刑事ドラマそのもので、彼女が数々の現場を経験しながら得た「人生哲学」がたくさん詰まっています。組織の中での生き方、そして一人の人間としてどう生きるべきか、普遍的な問題がページをめくるたびに読む者の心に迫ってきます。今は引退して済州島で後輩たちと一緒に暮らしながら人が集まれるサロンのような場所を作ろうとしているというパク・ミオクさん。この本が出てからニュースに芸能番組にと引っ張りダコなので、興味を持たれた方はまずYouTubeなどを検索してみるのもいいかもしれません。
  • ◆ジヨン店長より◆
    旅行作家キム・ソダムが「自分らしい人生」を歩んでいる10人の20代、30代に取材したインタビュー集。専業主夫、若い鍛冶屋、性平等教育活動家、ビーガンのダンサーなど一風変わった世界を築いてきた彼らには共通点がある。それはよく言われる一般的で安定した生活から自ら離脱し、自分だけのキーワードをもって主体的に生きていること。誰の顔色も伺わず人生の主人公になろうとする彼らの話は、人生の目標をどう定め、どこに向かって生きればいいかと迷っている人に贈る応援メッセージにもなるはずだ。愉快な若者たちの奇抜な哲学と多様な生き方を垣間見ることのできる一冊。
  • ◆スタッフさわだより◆
    コロナ禍にソウル北西部の小高い丘の上の家に引っ越したイラストレーターのイダさんは、窓の外で遊ぶ鳥の「オナガ」を見かけます。以来自然観察を始め、鳥に樹木、家の中に現れる小さな虫まで、意識しなければ見過ごしてしまいそうな生き物を、見つけた時の驚きや思い出と一緒にイラストで残します。何度も登場するお馴染みの生き物もいて、なかでもアヒルの三きょうだいの話が出てくるたびに、元気で暮らす様子にこちらまでホッとします。1年分の日記を季節に合わせて読み進めようなんて思っていたのに、つい気になってページをめくってしまう、ユーモアと発見に溢れた特別な日記帳です。
  • ◆宣伝広報担当ささきより◆
    まるで韓国ノワール映画を観ているような世界に没頭してしまったミステリー小説です。残忍な犯人によって、目の前で妻と娘の命を奪われた大学教授ユ・ミョンウは、その犯人が古書に異常なほどの執着を持っていたことに気づく。事件が未解決のまま15年が経過したところで、犯人をおびき出すために古書だけを扱う「記憶書店」を開店すると、予約制にした店に現れた4人の客の中に犯人がいると確信する。犯人との神経戦とも言えるやりとりに目が離せず、一気読み。映像化した際の配役をイメージしてしまいましたが、そんな配役を語り合ってみたくなる一冊にまた出会いました。
  • ◆きむ店主より◆
    人々が好む体験はどのように設計されるのか? ここ数年ソウルのあちこちで安定的に自分の世界を展開し、消費者を惹きつけたプレイヤーたちの話が聞ける貴重本。 ブランディングに関する話でもあり、起業を目指す人たちには先輩からのアドバイスでもあり、 ソウルが好きな日本の読者にとっては、変わったソウルの裏側を知ることができる高級ガイドブックでもあります。
  • ◆ノ店長より◆
    朝鮮における帽子とは、衣服の装身具の役割を超え、身分と階級、職業、年齢、性別を象徴した一種の社会的コードでした。朝鮮人は帽子を名誉の象徴として大切にし、衣服の一部と考えていたので家に入る時も靴は脱いでも、帽子だけはかぶったままで、食事中はもちろん、王の前でも帽子は脱がなかったのです。作家は朝鮮王朝518年を貫いた身分制度から生まれた朝鮮の帽子が作り出す東洋と西洋の文明観の違いや19世紀の朝鮮で起きた出来事を冷静な目線で語っています。また驚くほど様々な種類の帽子とその材質、製作方法、用途、使い方などが詳しく説明されています。特にナンモ(난모)を愛した朝鮮の女性たちと、カッ(갓)を大切にしたソンビたちのエピソードが興味深いです。
  • ◆山口店長より◆
    『브로콜리 펀치(ブロッコリーパンチ)』のイ・ユリさんによる短編集。イ・ユリさんは2020年にデビューした比較的新しい作家で、”イ・ユリユニバース”と呼ばれる独特の世界観がおもしろく、この短編集に収められている作品にも、人間ではないものや、元人間が登場して、シュールな状況に思わず、くすっと笑わされます。その中の一つ「フェアリーコイン」には妖精が登場します。不動産詐欺に遭った夫婦が損失額を取り戻そうと、家で飼っている妖精を利用して大掛かりな仮想通貨詐欺を企てるお話なのですが、果たして計画は成功するのでしょうか?不思議なイ・ユリユニバースをぜひ体感してください。
  • ◆かな店長より◆
    登録者数22.5万人の人気YouTubeチャンネル『リトルタネの賢い生活』を運営するYouTuberの初めての著作です。リトルタネはコロナ禍に村へと引っ越した30代女性。YouTubeでは落ち着いたトーンの声とコミカルな表現で田舎でのゆったりとした暮らしの様子を伝えています。童話に出てきそうな素敵なカントリーハウスに暮らす彼女は、「倒れたら休んでいこう」がモットー。日本でもコロナ禍をきっかけに地方移住する人が増えているので、彼女の暮らしに憧れたり、共感する人も多いのではないでしょうか。
  • ◆しみず店長より◆
    家も名前も忘れてしまった「コグマ(さつまいも)」が、初めて出会った仲間たちの力を借りて家を探しに出かける物語。さつまいもを食べた後につきものの「あれ」も登場し、子どもも大人も楽しめる絵本です。標準語の語尾「요(ヨ)」を「유(ユ)」と発音する忠清道の方言で描かれていて翻訳者泣かせではあるものの、そこにはとても平和で、のんびりした穏やかな響きがあり、音読していると温かい気持ちになれます。K-BOOK振興会主催の日韓出版人交流プログラムで出会った絵本専門の出版社「パンダル(半月)」の社長もイチオシの作品。著者は、以前におすすめした『황새 봉순이(コウノトリのポンスニ)』のサイダさんです。
  • ◆ジヨン店長より◆
    美しい言葉で苦しい心境を情緒的に描いた尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩集『空と風と星と詩』を模して、物理学者の目に映った世の中と人を解きほぐしたエッセイ。一見全く釣りあわない「感性の文学」と「理性の物理」の二つの世界が奇妙につながっているようなこのタイトルには、以前から「人」を理解したいと思っていた著者キム・サンウクの思いが込められている。 一時は物理学に精通すれば世の中を究明できると信じていた著者が無数の研究の末に悟ったのは、物理の境界を越えてこそ「人」を理解できるということ。原子から物質と生命、ひいては宇宙と人間がどのように絡み合っているかを易しい言葉で伝えるこのエッセイは、今までにない未知の世界の招待状になるはず。
  • ◆スタッフさわだより◆
    恥ずかしがり屋で口数の少ない小学3年生の女の子サンアは、遠足途中のサービスエリアでリスを追いかけ森の中に迷い込み、古くて小さなトイレから出られなくなってしまいます。読むこちらも辛くなるような一人ぼっちの恐怖の中で、思い出すのは周りの人と交わした会話。キンパの弁当を用意して送り出してくれた母に、母とすれ違い離れて暮らす父、祖父、友だち……。繊細な心と小さな体を奮い立たせて脱出を試みます。原書を読み切る経験を積みたい韓国語学習者向けの本を探す中で見つけた一冊です。韓国の小学1、2年生向けのシンプルな物語とはいえ、中級レベルの学習者にとっては単語帳を繰り返すだけでは覚えにくい生活に密着した単語も多く、読み応えも感じられます。「◯◯で3年」シリーズは他にも3冊あるので、ぜひ合わせてチャレンジしてみてくださいね。
  • ◆宣伝広報担当ささきより◆
    シリーズ累計150万部という大ベストセラーの日本語版がいよいよ登場。ソウルの下町で「不便なコンビニ」とも呼ばれる店を営む元教師のヨムさん。ある日、駅で無くした財布を守ってくれた熊のようなホームレスの大男「独孤(トッコ)」と出会います。ひょんなことから店で働くことになったトッコとの出会いによって、店の従業員たち、ヨムさんの息子、そして店の客たちまで不思議なように人生の歯車が廻り始めます。やはり人と出会うこと、話すことっていいね、と素直に思えるその読後の温かさをぜひ味わってほしい作品。プレゼントにもおすすめです。
  • ◆きむ店主より◆
    2000年から2018年まで韓国に在住していた歴史学者の藤井たけしさんが、2014年から3年にわたってハンギョレ新聞に連載したコラムなどを集めたもの。社会的なイシューを取り上げながら持論を見せているが、視線はいつも観察者ではなく当事者だ。セウォル号の話が何度も出てくるが、「この事件を『セウォル号』という固有名詞で呼ぶことの危険性」を指摘し、「『4.16』と呼ぼう」と提案する。金承玉、趙世熙、李良枝、森崎和江、金時鐘、ブレヒト、『国際市場』、『九月、東京の路上で』といった作家名や映画、書籍のタイトルも多く登場し、その関連本を読みたくなる。いい本というのは、読むとついつい横道にそれてしまうものだ。藤井たけしさんの文章は隠喩が多い。韓国語で文章を書きたい人は、この本をぜひ筆写してみてほしい。
  • ◆ノ店長より◆
    愛、懐かしさ、日常、自然、そしてまた愛をテーマとした5パートに分かれています。 短いけれど多くの意味が潜んでいる詩、ジーンとくる詩、やさしいようだがずっしりとした響きのある詩など100編の詩が載っています。 ぺ・ジョンエさんのカリグラフィーで書かれた詩やスローアスさんの押し絵が一緒になっていてめくるたびに楽しく飽きさせません。書き写しのできるページが右側に設けられているので、ゆっくり自分の字で書き写してみるのはいかがでしょうか。 韓国では、5月は季節の女王とも呼ばれますが、そういう今の季節にぴったりの詩集かもしれません。プレゼントにもおすすめ。
  • ◆山口店長より◆
    現代文学pinシリーズの45番目となる作品、チョン·ヒラン著『Kの葬礼』です。 物語はいきなり、Kの"二度目の死"からはじまります。Kという男性作家は15年前に一度自殺して死んでいます。人が二度死ぬなんてことがあるのでしょうか?ミステリーな設定が興味をひき、ひきこまれる作品です。 一度死んだKが二度目の死を迎えるまでの15年間彼と同居してきた女性作家チョン·ヒジョンが第一章に、Kの実の娘である女性作家ソン·スンミが第二章に登場し、第三章ではこの二人の女性が対面することになるのですが、彼女たちの記憶や心情が丁寧に描かれています。そしてこの物語に「死」と同じくらい多く出てくるのが「自由」というキーワードです。自由とは何だろうかと考えさせられ、とても奥が深いです。
  • ◆かな店長より◆
    「GQ KOREA」の編集長として活躍したイ・チュンゴルのインタビュー集です。インタビュー対象は、スポーツや文学、音楽とスピリチュアリティ、ファッションなどさまざまなジャンルで活躍している11人。華やかな活躍をしている人ばかりですが、一枚殻をめくれば、普通の人と同じように不安や挫折を味わったこともあります。 一般的なインタビューは質問文と回答の形式で構成されますが、本書は筆者によるインタビュー対象者の描写と、対象者の語りで構成されています。インタビュー対象者の着ていた洋服や靴、口癖や手振りや身振り、表情などが細やかに描かれているので、それぞれの人物の価値観を理解しやすく、その場の情景が浮かんできます。
  • 3872
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    ◆しみず店長より◆
    李箱文学賞や東仁文学賞など国内の文学賞をはじめ、『새(鳥)』でドイツのリベラトゥール賞も受賞し、数多くの小説家たちに影響を与えてきた呉貞姫作品のエッセンスが楽しめる掌編小説。中年女性が抱える倦怠や憂鬱、自己実現への渇望などを描いた42篇を収録。短い文章の中に、夫や子供との関係、マンション上階の騒音、25年ぶりの同級生との再会などをテーマにした、同世代の女性なら共感必至の物語が詰まっています。掌編小説ならではのオチも痛快。1作品5~10ページと短いので、韓国語の原書を読み始めた人にもぴったりです。『82年生まれ、キム・ジヨン』とのつながり、韓国の掌編小説の歴史などがわかる解説も必読。
  • ◆ジヨン店長より◆
    日常で偶然出会った言葉や単語を収集してノートに記録する詩人アン・ヒヨン。テレビをつけて料理したり、道を歩きながら看板を見たり、洗濯物を回収しに来た運転手さんと向き合った時など、日常に突然割り込んで遭遇する言葉に心を惹かれ、人生を垣間見ることもある。そして、言葉の意味を調べることで自分の人生を振り返り、時にはトカゲやリンゴになってそれが世界を広げる一歩にもなる。 この本には、普段あまり使わない、意味がぱっと浮かばない言葉が多い。しかし、詩的ではない、テクニカルでアカデミックな45片の言葉が詩人の日常に不意打ちするように入り込み、最も文学的な思惟の通路を開く場面はとても感動的だ。まさに言葉一つひとつが発する神秘的な光が美しく輝く一冊と言えるだろう。
  • ◆スタッフさわだより◆
    「仕事を優先すべきだから」「貯金をすべきだから」今は何かを楽しんでる場合じゃないよなぁ。そんなふうに自分の願望や楽しむことをつい先延ばしてしまう人、いませんか?実際には一つやることが終われば次のやるべきことが目の前に現れるもので、「気持ちや時間の余裕が生まれるタイミング」などなかなか来ませんよね。本書では、楽しむことを後回しにしていた著者キム・へウォンさんが、日常の小さな喜びをないがしろにせず大切に拾い上げ、実践するようになった方法を語ってくれています。物事を真剣に考えすぎてしまう、人がどう思うかが気になる、自信はないけど完璧を求めてしまう。そんな思いで日々が少し曇っていると感じたら、気になった章からゆっくり読んでみてください。
  • ◆宣伝広報担当ささきより◆
    稼業ひとすじ45年の女殺し屋が主人公とあっては読まずにはいられないとすぐに手に取ってみました。著者は『四隣人の食卓』(小山内園子訳)でも人気を博したク・ビョンモ。前作では「夢未来実験共同住宅」という奇抜な設定で、「家事労働」「少子化対策」といった韓国社会(いや日本も同じです)の深刻な現実を描き、じわりと背筋が凍る読後感を感じましたが、今作はまた非現実的な「女殺し屋」という設定の中で、「性差」「老い」といった現実の問題をも突き付けてくるキラー小説です。テンポのいい展開と登場人物たちそれぞれの人生に思いを馳せ、最高のエンターテインメントを楽しめる作品です。韓国ノワール映画好きにもおすすめです。
  • ◆しみず店長より◆
    2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選作で、著者は、グラフィックデザイン事務所兼一人出版社を運営しているキム・スンヨンさん。色鉛筆で描かれたような、ヨーロッパっぽい素朴な絵柄が印象的です。主人公は、本が大好きで記憶力はとてもいいのに、子どもの頃のことはまるで覚えていない一人の女性。つまらない毎日を送っていた女性はある日、近所の帽子屋さんで買った白い帽子に誘われるように、幼少時代の記憶が詰まった帽子の森へと入っていきます。そこで過去の自分と出会った女性は、自分がどれだけ特別な少女だったかを思い出し、毎日が前向きで明るいものに変化していきます。癒しを求める大人のみなさんに読んでほしい絵本です。
  • ◆ジヨン店長より◆
    造園学者のキム・インスがソウルの路地にある庭園の素朴で日常的な風景を温かい視線で描いた人文エッセイ。彼は長い間、大規模な再開発や新都市住宅事業などで消え続けるソウルの空間を文と写真で記録してきた。そして古い空き地、打ち捨てられた遊び場などにこっそり潜んでいた「シークレットガーデン」に目を向けた。雄大で華やかな庭園ではないが、ちょっとした植物を育てる小市民の思い出と哀歓、愛と喜びが込められた小さな庭園、シークレットガーデン。色とりどりの個性があふれる庭園の眺めと人々の話が繰り広げられる。
  • ◆スタッフさわだより◆
    友人同士の翻訳家二人による往復書簡形式のエッセイ。英語と韓国語の間で生きる二人が、翻訳の過程で生じる悩みや喜びから、読者の反応への思い、翻訳料についての葛藤まで、手紙を通して打ち明けます。古風な雰囲気をまとわせるために漢字語の割合を調整したり、自身の子どもの発言やSNSから若者言葉や俗語を研究してみたり。作品により相応しい表現を求めて日々どんな試行錯誤をし、どんなアンテナを張って暮らしているかが伝わってきます。励まし合いながら深く語り合う二人の対話が美しく、優しい一冊です。
  • 1980
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    ◆宣伝広報担当ささきより◆
    20代後半、会社勤めの女性3人。同期のいない3人の共通点は会社からの評価がいつも「まあまあ」だということ。そんなことから仲良くなった3人が、今の生活を変えようと仮想通貨世界に足を踏み入れ、その世界にのめり込んでいく。そのハラハラドキドキの展開にこちらまで手に汗握ってしまいそうに。なぜ仮想通貨に託すのか? 現実では変わる余地のない生活の反動なのか? 閉そく感たっぷりで、物価上昇が続き、生活にゆとりのなくなる今、この作品の爽快さがたまらない。思わず一緒に「月まで行こう」と声を上げたくなるはず。そんな読書体験もまた新鮮で面白い!
  • ◆しみず店長より◆
    『82年生まれ、キム・ジヨン』の編集者で文芸評論家のパク・ヘジンさんによる初の評論集です。「再び出会う人間」「自我の後退」「愛と憂鬱の仕業」「倫理も美しい」の四章構成。ハン・ガンの『작별하지 않는다』、キム・グミの『あまりにも真昼の恋愛』、キム・スムの『さすらう地』、キム・ヨンスの『이토록 평범한 미래』、キム・ヘジンの『娘について』などの作品について詳しく論じています。作品世界をより深く味わい、探究したい人にぜひ。小説を読んだ後にうまく言語化できなかった気持ちや考えを整理するのにも役立ちます。
  • ◆ジヨン店長より◆
    ソウルで古本屋を運営している著者は、いわば「本探偵」。その本探偵が自ら「不思議の国の古本屋」と名付けたこのウサギ穴のような空間には、彼が密かに15年間収集してきた「落書き本」がある。著者は本書でその落書きの裏に込められている正体不明の人々の内面、そしてその状況について想像力を巡らせた。本を読んだ人の人生が本の中に残されてこそ本が本らしくなるのだと語る著者。彼が伝える平凡だから心に染みる私たちの話に、しばし耳を傾けてみてはどうだろうか。
  • ◆スタッフさわだより◆
    舞台はソウルの地下鉄2号線。淡々と乗っては降りていく乗客たち。顔もなくモノクロに描かれた空間で、一人ひとりに光が当たっていきます。娘を一目見ようと急いで帰るサラリーマン、疲れた体で学習塾を後にする中学生、仕事に就いておらず、自分は何者なのかと戸惑う20代の男性……。それぞれが自分の言葉で語り始めると、表情や色彩、生活まで浮かび上がってきます。登場人物の生い立ちや家族構成は文章に出てこない部分まで細かく決めた上で制作されたそう。普段はただすれ違うだけの隣人たちの顔が、人生が、鮮やかに見えてくる絵本です。
  • ◆宣伝広報担当ささきより◆
    読んでいた車内で何度か涙が浮かんだり、時には思わず「ふふっ」と笑い声が漏れそうになったり、とさまざまな感情(多情)があふれた一冊だった。読み終わるとみぞおちの辺りから身体中に温かさが広がっていくようだった。著者は、前作『女の答えはピッチにある』でも人気を博したキム・ホンビさん。子ども時代の思い出からこのコロナの時代の出来事を、彼女なりの視点で感情豊かに、時には冷静に見つめた所感がたっぷり詰まっている。中でも「飛行機はわるくなかった」「旬の食べ物をしっかりと摂ること」は特にお気に入り。
  • ◆しみず店長より◆
    舞台はキリスト教系の男子高校。ルームメイトになったソヌとウィヨンを中心に物語は展開します。コミックですが、小説のような読後感が味わえる深みのあるストーリー。宗教を持つということ、母胎信仰、宗教と親子関係、キリスト教と同性愛、そして、いい人であるとはどういうことなのか。さまざまなことを考えさせられます。他人を完全に理解することは不可能だけれど、でも、だからこそ、相手の心の苦しみに寄り添うにはどうすればいいのか。10代の少年たちにあらためて教えられた気がします。ブックチューバーのキム・キョウルさんや詩人のオ・ウンさんもおすすめしています。
  • ◆ジヨン店長より◆
    なじみ深いながらも陳腐でない5つの物語を一冊にまとめたアンソロジー小説集。スリラー、ミステリー、SF、ロマンスなど、それぞれのジャンルで独歩的な領域を構築してきた5人の作家が韓国や外国の童話、古典小説をモチーフにしたこれらの作品は、昔話の普遍性にジャンル文学としての現代的な感覚を加え、斬新な想像力を具現化した。どの作品も現実を反映した多様な社会問題にスポットライトを当てながら、現代に生きている私たちに必要な新たな視点を与えてくれる。
  • ◆スタッフさわだより◆
    80万人超が登録するYouTubeチャンネルで、語りながら絵を描く美術クリエイター、イヨンさんのイラストエッセイ。20代後半で会社を辞めて現在の活動に至った過程を、漫画と文章で描いています。今しんどいのは自分のせいだからしょうがない、あまり幸せじゃないけど慣れたから別に平気…。あなたの心の底にそんな言葉が重く沈んでいたら、読んでみてほしい。所属する場が無くなり、人とのつながりが途絶えたとしても、「私」を軽んじず、切り捨てず、暗い道を一歩ずつもがき進んだ先輩の姿が力になるはずです。
  • 2200
    書籍修繕という仕事 お気に入りに登録する前
    ◆宣伝広報担当ささきより◆
    タイトルの「書籍修繕」に惹かれ手に取ったエッセイには、書籍修繕家である著者ジュヨンさんの手によって蘇る貴重本はもちろん、一般的に売られている一冊、家族との思い出アルバムなどに、依頼者の思いを受け取って最善のワザを施すその過程が丁寧に描かれていた。依頼者の思い、そしてジュヨンさんの思いを読みながら、思わず「本」を持つ手つきも丁寧なものに変わった。本に限らず「モノ」を慈しむ様子は、とても静かに心に沁み、そして心穏やかな時を与えてくれる。心にホッと暖かい明りが灯るような一冊は寒いこの季節におすすめ。
  • ◆しみず店長より◆
    昨日(12月21日)からJTBCで放映が始まったユン・ヨンソク主演のドラマ『사랑의 이해』の原作。 前にも一度おすすめしたと思いますが、ドラマ化を機にあらためてのご紹介です。 愛を望んでいたけれど愛だけを望んでいたわけじゃない――。 劣等感に苛まれ、自尊心を傷つけ合いながら不器用な恋愛をくり返す、男女四人のリアルな恋物語です。 互いに最も深く理解(이해)し合う存在でいたいけれど、最も厳しく利害(이해)関係を突き詰めてしまうアイロニー。 冷静と情熱は、永遠に交じり合えない愛の二元論なのだろうか。 交換価値を基本として選択がなされ、その選択がまた別の価値を生み出す銀行を舞台に繰り広げられる恋愛模様によって、 この疑問に対する一つの答えが示されています。
  • ◆ジヨン店長より◆
    ホンリョンは死んでいない、ただ探偵になっただけ。 韓国の代表的な伝来童話『薔花(チャンファ)紅蓮(ホンリョン)伝』を新しい視点で解きほぐし、朝鮮時代の検験書である『新註無寃錄』をつなぎ合わせた女性探偵物。財産を奪おうとした継母によって婚姻直前に死んだチャンファ。彼女の悔しさを晴らすために探偵になったホンリョンと、化け物が見える地方長官の特別な共助捜査劇。彼らは鉄山(チョルサン)で相次いで起きる殺人事件を共に解決しながら、チャンファの死の真実に近づいていくが…。 2017釜山国際映画祭アジア・フィルムマーケットE-IP ピッチングNew Creator Award受賞作。
  • 3630
    휴게소(休憩所) お気に入りに登録する前
    • ¥2,980
    • ¥3,630
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    ◆スタッフさわだより◆
    深い森の中にある山小屋。誰かに飼われていた犬や猫、鳥たちが、長い「旅」に出る前に立ち寄る休憩所です。飼い主には直接言えなかった不満や本音を山小屋の少年に打ち明ける動物たち。思いのほか毒舌でちょっと笑ってしまいますが、飼い主にとっては耳の痛い話ばかり。そんな動物たちも、最後には何より伝えたい大切な思いを込めた、飼い主への手紙も残します。グレーや茶色の色合いで描かれた冬景色の中で、動物と人間が築いてきた愛情や温もりがより際立って伝わってくるグラフィックノベル。良い日も辛い日も一緒に過ごした動物たちとの記憶が、静かに蘇ってきます。
  • 2970
    K-POP原論 お気に入りに登録する前
    • ¥2,700
    • ¥2,970
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    ◆宣伝広報担当ささきより◆
    言語学者の野間秀樹先生が、K-POPをこれほど熱く敬愛していることにまずは驚くとともに、美術家で音楽に造詣も深い野間先生ならではの視点で読み解くK-POPのMVの分析に思わず、うなってしまう。カメラワーク、色使い、衣装といった表面的な分析はもとより、言語学からみた<ことば>における指摘もまたこれまでの分析本とはひと味異なる。QRコード150本からはその分析を確認するようにMVに飛び、一瞬でのその世界感にも没入できる。K-POPの世界を奥深く堪能できる類をみない構成に驚く一冊。
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